11月中旬。木枯らしが吹き始め、冬の気配が一段と濃くなってきた火曜日の夕方6時半。
僕たちはブラウン管の前で、炎のたてがみをなびかせて走る美しい奇跡と、「人馬一体」の熱い絆に胸を躍らせていた。


あの日、僕たちが受け取ったもの
第33話は、サトシが「自分の手持ちではないポケモン」と心を通わせ、勝利を掴むというスポーツマンシップと信頼の物語である。怪我をしたフウコの代わりにポケモンレースに出場することになったサトシ。彼が乗るのは、気性が荒く、心を許した者以外が触れると炎のたてがみで火傷を負わせるポニータだった。
対抗馬であるドリオは、自分のドードリオをムチで打ち、ロケット団を使って卑劣な妨害工作を行う。「ポケモンを勝つための道具として扱う者」と、「パートナーとして信頼し合う者」の対比は、アニポケにおける永遠のテーマだ。サトシはポニータを無理に操ろうとせず、ただひたすらに信じ、励まし続ける。そしてポニータもまた、サトシの純粋な想いに応えるように炎のたてがみを温かく変え、彼を背中に受け入れるのだ。
その信頼の結晶として、ポニータはレースの最終盤でギャロップへと美しく進化を遂げ、ドードリオを見事に抜き去る。自分のモンスターボールに入っていなくても、所有していなくても、互いにリスペクトがあれば心は通じ合い、奇跡を起こすことができる。所有の枠を超えた「人ポケ一体」の境地を描いたこのエピソードは、生命への深い敬意と爽やかな感動に満ちていた。
🕰️ 1997年11月11日 のタイムカプセル
あの日、僕たちが生きていた世界はどんな空気に満ちていただろうか。
当日の重大ニュース
- サッカー日本代表、運命のジョホールバルへ:直前の11月8日、フランスW杯アジア最終予選のカザフスタン戦を引き分けで終え、いよいよ11月16日の「第3代表決定戦(イラン戦)」へと向かう直前の時期。日本中がワールドカップ初出場をかけた熱気と祈りに包まれていた [1]。
- 北海道拓殖銀行の破綻迫る:11月3日に三洋証券が倒産し、この直後の11月17日には都市銀行である北海道拓殖銀行が破綻。日本経済がドミノ倒しのような金融危機に見舞われる「暗黒の11月」の真っ只中であった [2]。
- COP3(京都会議)に向けた動き:翌12月に京都で開催される気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)に向け、温室効果ガス削減目標に関する国際的な議論が連日ニュースで報じられ、環境問題への関心が高まっていた [3]。
今週の音楽チャート(トップ3)
- 1位:GENERATION GAP/V6
- 2位:White Love/SPEED
- 3位:WHITE BREATH/T.M.Revolution
(1997年11月17日付オリコンチャートより推計)
V6のダンサブルな新曲が首位を獲得。SPEEDの圧倒的なウインターソングや、T.M.Revolutionの冬を吹き飛ばすような激しいポップスが上位に並び、J-POP黄金期の冬の始まりを熱く彩っていた [4]。
街で流行っていたもの
- サッカー熱と「ドーハの悲劇」のトラウマ:フランスW杯予選の大詰めを迎え、学校の休み時間でもサッカーの話題が持ちきりに。「今度こそワールドカップに行けるのか」という期待と不安が日本中を覆っていた。
- たまごっち「オスっちメスっち」への期待:年末の発売を控え、通信機能で結婚・繁殖ができる新しいたまごっちの話題が子供たちの間で沸騰。予約のための情報交換が小学生の間で盛んに行われていた。
あの日の続きを、もう一度。
所有していなくても、心は通じ合う。炎のたてがみで結ばれた信頼と、美しいギャロップへの進化。大人になった今、あの日の熱いポケモンレースのゴールを、もう一度見つめ直してみませんか。
[公式配信サイトで第33話を視聴する(Amazon Prime Video等)]
Sources(出典リスト)
[1] ジョホールバルの歓喜 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%AD%93%E5%96%9C
[2] 1997年の日本 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/1997%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC
[3] 第3回気候変動枠組条約締約国会議 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC3%E5%9B%9E%E6%B0%97%E5%80%99%E5%A4%89%E5%8B%95%E6%9E%A0%E7%B5%84%E6%9D%A1%E7%B4%84%E7%B7%A0%E7%B4%84%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E8%AD%B0
[4] Template:オリコン週間シングルチャート第1位 1997年 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/Template:%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E9%80%B1%E9%96%93%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88%E7%AC%AC1%E4%BD%8D_1997%E5%B9%B4


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