第4話「サムライ少年の挑戦!」と、1997年4月22日の記憶。

第1-82話(カントー編)

新学期の慌ただしさが少し落ち着き、夕暮れの時間がほんのりと長くなり始めた4月下旬。
火曜日の夕方6時半、僕たちはブラウン管の前で、意地を張り合う少年たちの不器用な戦いを見守っていた。


第3話「ポケモン ゲットだぜ!」と、1997年4月15日の記憶。
春の陽気が本格的になり、新しいクラスメイトとの会話のきっかけを探していた4月中旬。火曜日の夕方6時半、僕たちはサトシと一緒に「初めてのゲット」の喜びに胸を躍らせていた。あの日、僕たちが受け取ったもの第3話は、ポケモンの醍醐味である「ゲット」…
第5話「ニビジムのたたかい!」と、1997年4月29日の記憶。
ゴールデンウィーク前半の祝日「みどりの日」。夕方の風が少し暖かさを増した火曜日、僕たちはブラウン管の前で、サトシが挑む初めての「大きな壁」に息を呑んでいた。あの日、僕たちが受け取ったもの第5話は、アニポケにおける「ジム戦」が、単なる強さの競…

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あの日、僕たちが受け取ったもの

第4話は、サトシという主人公が「完璧なヒーロー」ではなく、失敗と反省を繰り返す「等身大の10歳の少年」であることを決定づけた重要なエピソードだ。トキワの森で出会ったサムライ少年とのバトルで、両者は互いに手持ちのトランセルを繰り出し、「かたくなる」だけを延々と指示し続ける。一見するとギャグのような泥仕合だが、これは「絶対に自分の非を認めず、一歩も引かない」という、子供特有の意地の張り合いのメタファーである。

このエピソードの真のテーマは「過ちとの向き合い方」にある。スピアーの大群の襲撃という予期せぬパニックの中、サトシはあろうことか自分のトランセルを置き去りにして逃げてしまう。ポケモンを愛護する主人公としてあるまじき、致命的なミスである。しかし、物語は彼をただ断罪するのではなく、自らの過ちを痛感し、恐怖に震えながらもトランセルを取り戻しに行く姿を描き出す。

「ごめんな、トランセル。俺が間違っていた」——そう言って身を挺してスピアーの毒針からトランセルを守ろうとした瞬間、トランセルはバタフリーへと進化を遂げる。完璧な命令を下す優秀なトレーナーだからポケモンが応えてくれるのではない。己の未熟さを認め、泥まみれになって償おうとするその誠実さにこそ、ポケモンは命を預けるのだ。大人になった今見返すと、サトシの不器用な謝罪とバタフリーの美しい羽ばたきに、思わず胸が熱くなる。

🕰️ 1997年4月22日 のタイムカプセル

あの日、僕たちが生きていた世界はどんな空気に満ちていただろうか。

当日の重大ニュース

  • ペルー日本大使公邸占拠事件の武力突入:現地時間の1997年4月22日午後(日本時間23日早朝)、127日間にわたって左翼ゲリラに占拠されていたペルーの日本大使公邸に、ペルー当局の特殊部隊が突入。長引いていた人質事件が急転直下の結末を迎え、日本中のテレビが特別番組に切り替わった [1]。
  • 消費税5%社会への適応:4月1日の増税から3週間が経過。小売店での価格表示の変更や、1円玉が大量に必要となる新しい買い物事情に、人々がようやく慣れ始めていた時期である [2]。
  • 「もののけ姫」公開前の熱気:同年夏の公開に向けて、スタジオジブリの新作映画の特報が映画館やテレビで頻繁に流れ始め、日本中に静かな期待と熱狂が蓄積されつつあった。

今週の音楽チャート(トップ3)

  • 1位:渚にまつわるエトセトラ/PUFFY
  • 2位:Give me a Shake/MAX
  • 3位:Go! Go! Heaven/SPEED
    (1997年4月28日付オリコンチャートより)
    PUFFYの肩の力が抜けた脱力系ポップスと、MAXやSPEEDといった沖縄アクターズスクール出身のパワフルなダンスミュージックがチャートの上位で競い合い、1990年代後半の多様でエネルギッシュな音楽シーンを象徴していた [3]。

街で流行っていたもの

  • ハイパーヨーヨー:奇しくもこの1997年4月にバンダイから発売された。ここから瞬く間に全国の小学生男子を熱狂させる一大ブームへと発展し、放課後の公園はヨーヨーの技(トリック)を練習する子供たちで溢れかえることになる [4]。
  • ミニ四駆(第2次ブーム):『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』のテレビアニメ放送と共に、フルカウルミニ四駆が大流行。おもちゃ屋の店頭に設置されたコースには、改造したマシンを走らせる子供たちが群がっていた [4]。

あの日の続きを、もう一度。

意地を張り合う未熟な少年たちと、失敗を乗り越えて生まれた美しい蝶。サトシが初めて経験した「進化」の感動を、大人になった今、もう一度見つめ直してみませんか。
[公式配信サイトで第4話を視聴する(Amazon Prime Video等)]


Sources(出典リスト)

[1] 在ペルー日本大使公邸占拠事件 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%A4%A7%E4%BD%BF%E5%85%AC%E9%82%B8%E5%8D%A0%E6%8B%A0%E4%BA%8B%E4%BB%B6
[2] 1997年の日本 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/1997%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC
[3] Template:オリコン週間シングルチャート第1位 1997年 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/Template:%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E9%80%B1%E9%96%93%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88%E7%AC%AC1%E4%BD%8D_1997%E5%B9%B4
[4] 競技玩具年表: https://www2s.biglobe.ne.jp/~yoyomax/yoyo/kyougi-nennpyou.html

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