第6話「ピッピとつきのいし」と、1997年5月6日の記憶。

第1-82話(カントー編)

ゴールデンウィークの最終日。明日からの学校を思って少しだけ憂鬱になっていた夕暮れ時。
火曜日の夕方6時半、僕たちはブラウン管の前で、宇宙の神秘と小さな妖精たちのダンスに心を奪われていた。


第5話「ニビジムのたたかい!」と、1997年4月29日の記憶。
ゴールデンウィーク前半の祝日「みどりの日」。夕方の風が少し暖かさを増した火曜日、僕たちはブラウン管の前で、サトシが挑む初めての「大きな壁」に息を呑んでいた。あの日、僕たちが受け取ったもの第5話は、アニポケにおける「ジム戦」が、単なる強さの競…
第7話「ハナダシティのすいちゅうか」と、1997年5月13日の記憶。
ゴールデンウィークの余韻が完全に消え去り、初夏の気配が少しずつ混じり始めた5月中旬。火曜日の夕方6時半、僕たちはブラウン管の前で、いつも強気な少女が抱える「等身大のコンプレックス」に触れていた。あの日、僕たちが受け取ったもの第7話は、サトシ…

あの日、僕たちが受け取ったもの

第6話は、ポケモンという存在が単なる「不思議な野生動物」の枠を超え、宇宙的なスケールを持つ神秘的な生命体であることを初めて提示したSF的ロマン溢れるエピソードだ。舞台はお月見山。そこでは、妖精のようなポケモン・ピッピたちが「つきのいし」を囲み、まるで宗教的な儀式のように踊りを捧げている。彼らは宇宙船に乗って地球にやってきたのではないか――そんな研究者リカオの仮説は、子供心に果てしない想像力を掻き立てた。

この回で際立っているのは、ポケモンに対する「人間の向き合い方」の対比である。ロケット団は「つきのいし」を金儲けの道具として強奪しようとし、自然の調和を暴力的に破壊する。それに対し、研究者のリカオは彼らの生態をただ静かに観察し、尊重しようとする。サトシたちもまた、ピッピたちを無闇にゲットするのではなく、彼らの生活圏を守るために戦う道を選ぶのだ。「所有する」ことだけが愛ではないというメッセージが、ここには込められている。

また、ピッピは元々、メディアミックス展開の初期においてピカチュウと並ぶ「主役候補」だったというメタ的な背景がある(事実、漫画版ではピッピが主人公のパートナーを務めている)。もしあの時、サトシのパートナーがピッピだったら? そんなパラレルワールドに思いを馳せながら見返すと、アニポケにおけるピッピが「手に入らない神秘の象徴」として描かれたことの必然性とエモさが、より一層深く胸に迫ってくる。

🕰️ 1997年5月6日 のタイムカプセル

あの日、僕たちが生きていた世界はどんな空気に満ちていただろうか。

当日の重大ニュース

  • ゴールデンウィーク最終日のUターンラッシュ:5月6日は振替休日であり、消費税5%導入後初の大型連休が終了。高速道路や新幹線は帰省客や行楽客で大混雑し、日常への回帰を前に社会全体が少しの気怠さを抱えていた [1]。
  • イギリスでトニー・ブレア新政権が本格始動:直前の5月1日の総選挙で労働党が圧勝し、18年ぶりの政権交代が実現。43歳の若きブレア首相が率いる「クール・ブリタニア」の波が、世界に新しい風を吹き込もうとしていた [2]。
  • 映画『失楽園』公開直前の熱気:この週末(5月10日)に公開を控えた映画『失楽園』(役所広司・黒木瞳主演)の話題が連日メディアを賑わせ、大人の恋愛劇が社会現象となろうとしていた [3]。

今週の音楽チャート(トップ3)

  • 1位:Hate tell a lie/華原朋美
  • 2位:渚にまつわるエトセトラ/PUFFY
  • 3位:Give me a Shake/MAX
    (1997年5月12日付オリコンチャートより)
    小室哲哉プロデュースの華原朋美が3週連続で1位を獲得。PUFFYやMAXといった女性アーティストたちがチャートを席巻し、J-POP黄金期の華やかでエネルギッシュな空気が日本中を包み込んでいた [4]。

街で流行っていたもの

  • ポケモン 赤・緑の再ブーム:アニメ放送開始から1ヶ月が経過し、前年に発売されたゲームボーイソフト『ポケットモンスター 赤・緑』の人気が再び爆発。「アニメで見たポケモンを自分も捕まえたい」という子供たちがゲームショップに殺到し始めていた。
  • G-SHOCK(イルクジモデル等):若者の間でストリートファッションの必須アイテムとして大流行。特に限定モデルは雑誌で特集が組まれ、プレ値で取引されるほどの狂騒となっていた。

あの日の続きを、もう一度。

宇宙から来たかもしれない小さな妖精たちと、神秘の石。自然を敬い、未知を愛する心。大人になった今、あの日のオツキミ山の夜空をもう一度見上げてみませんか。
[公式配信サイトで第6話を視聴する(Amazon Prime Video等)]


Sources(出典リスト)

[1] 1997年の日本 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/1997%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC
[2] トニー・ブレア – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A2
[3] 失楽園 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%B1%E6%A5%BD%E5%9C%92
[4] Template:オリコン週間シングルチャート第1位 1997年 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/Template:%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E9%80%B1%E9%96%93%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88%E7%AC%AC1%E4%BD%8D_1997%E5%B9%B4

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